【思い出の装丁_79】でございます。
 
さて、今回の本は、

 
ソウル・イーター ―Soul Eater
2008年 日本経済新聞出版社(現・日本経済新聞出版)刊

 
四六判、300頁、上製、本文横組
でございます。
 
本書は、応募総数7500作品(!)のモバゲーTOWN第1回小説大賞
特別賞受賞作品になります。
著者は、大橋基章先生です。

 

ミステリー小説の装丁仕事_1
ミステリー小説の装丁仕事_2
ミステリー小説の装丁仕事_3
 
 
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謎の都市伝説―「ソウル・イーター」とは。
この黒い魔物が次々と犠牲者を生み出していく。
魔物の目的は何か?その正体とは?複雑に絡み合う人間関係と漆黒の悪意。
随所に張り巡らされた伏線が、一つに収束する。

 
緻密な構成と文体で、
これまでのケータイ小説の「常識」を打ち破り「本物」を求める多くの読者が絶賛!
モバゲータウンから生まれた衝撃の大型新人!
モバゲーTOWN第1回小説大賞特別賞受賞作。

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2008年の装丁仕事_1
2008年の装丁仕事_2
2008年の装丁仕事_3
 
 
本書刊行の2008年は、第2次ケータイ小説ブームの時期にあたります。
そのケータイ小説(ケータイしょうせつ)とは、
携帯電話(特にフィーチャーフォン)を使用して
執筆し閲覧される小説(オンライン小説、電子書籍)である。
PCを用いて執筆されることもあるが、多くは携帯電話を使用して執筆され、
多くのケータイ小説サイトは携帯電話以外からのアクセスも可能である。

(Wikiより)とのことです。
 
 
装丁に関して、
担当編集者・M様からは、紙資材や印刷等コストはあまり気にせずやってくれ。
と言われた記憶があります(受賞作品ということもあり)。
ケータイ小説ということで読者層は比較的若年層設定。
定価が1000円+税なのですが、300頁の上製本で資材・印刷仕様を
考えると….信じられない定価です^^(流石です!)
 

●こちらはブログを小説化した装丁本●

 
デザインについては、基本的にお任せでしたが
1点だけ、著者の大橋先生の描かれた絵を使用したいとのご希望でした。
(多才!!)そのイラストはスミ1Cで描かれたもの。
 
今回の装丁プランは階層的な深みがあるものを想定していたため
素のままでは少し難しいかなと判断させていただき、
何かしら加工を施させていただく了承を得、デザインに臨みました。
 
 

 
 

いろいろと検討させていただいた後、
ビジュアルには最終的にミステリー小説内容とリンクさせた
素材画像に、モノクロ絵を染み込ませたようなテイストで
使用させていただきました。プラス少し歪ませて。
 
また書名には、デジタル調の特徴的フォントを用いております。
リボン状のイエローは特色でカバー:5C印刷。
帯の地色にはシルバー特色を敷いて帯:5C印刷です。
 
本書に登場する魔物、絡み合う人間模様等々
その魑魅魍魎のたぐいと、ケータイ小説という2008年当時の
時代感覚を装丁にいかに反映させようかと
考えていたと思いますね。
 
小説の装丁仕事_1
小説の装丁仕事_2
小説の装丁仕事_3
 
 
付き物紙資材は、
カバー:コート紙 グロスPP加工(5C印刷)、
帯:コート紙 OPニス加工(5C印刷)
表紙:ビオトープGA、見返し:マイカレイド、別丁扉:ビオトープGA

となっております。
 
 
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本書の担当編集者・M様とは長年に渡り、大変多くの仕事をさせていただいた方で、
勉強させていただきました。本当に有難うございました!
 
編集者・M様との仕事_1
編集者・M様との仕事_2
編集者・M様との仕事_3
編集者・M様との仕事_4